みやび

ハンニバルのみやびのレビュー・感想・評価

ハンニバル(2001年製作の映画)
2.8
3、4年ぶりに観た。

前作がクラリスの物語だとするならば、本作はレクターの残酷さを重点的に描いた物語になる。
淡々と進んでいく時間、その裏にある異常性。

人物やロケーションの移り変わり、大量の台詞など、多くのものがまとまりきらずに散らかってしまっていることもあり、余計にストーリー展開の遅さが気になる。

レクターを重点的に描いている割には恐ろしさも全く感じない。
前作のレクターにはあった、決して破られることのない壁一枚を挟んでもなお、こちら側へと渡ってきそうな理不尽な恐ろしさや、作品を通して描かれていた消えることのない不穏さが本作には全く感じられない。
ビジュアルや言動の気持ち悪さといったシンプルかつインパクトある要素は、ゲイリー・オールドマン演じるキャラクターに取られてしまっている。
アンソニー・ホプキンスの演技だけではどうしてもカバーしきれない所があった。

何度観ても思うが、前作を超えることはない。
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