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ハンニバルのyaotomoのネタバレレビュー・内容・結末

ハンニバル(2001年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

枕を二つ抱きながら観た。
目を覆いたくなるシーンが多く、
くるか、くるかと体が強張るので首肩が凝る。

日本語や日本人がちょこちょこ登場するのは、監督がリドリースコットだからか?

「肉体」を感じさせるレクター博士のセリフの数々が良い。自分が観たバージョンの字幕ではトランクを人間と同じ重さだと訳していた。生々しい。
そのほかにもメリーゴーランドに乗りながらスターリングの髪の毛を触った後に「warm」と聞こえた気がする。
肉感だけでなく体温 というのも織り交ぜるようだ。非常にキモくて良い。

ヴァージャーの過去、性嗜好、結果もすべて、直視できない、飲み込めず途中で吐いてしまいそうなものだった。
映像だけでなく、内容だけで観客の目をつぶらせるところに、ショックを与えることに抜かりが無いのを感じる。
個人的にはグレンドラーが青い白い顔で、
虚ろとした目でスープをストローで啜るシーンが割と見てて苦しかった。
司法省のスポークスマンというエリートだからこそ、シーンとの落差が大きかった。
そういえばヴァージャーもシャンパンのような物をストローで啜っていた。
あのストローは身体的に不自由にであることを表現するためのものと考えている。

動物に人間を食わせるシーンは、
サメだったり、ライオン、ピラニアなど
明らかに獰猛、肉食感があるものが多くの映像作品では採用されていたが、
この作品ではモリイノシシである。
このキャスティングについては自分は
あえてノロマそうな、一見して獰猛に見えない家畜的な動物を使うことで、
「こんな動物に食われるなんて悔しくて恐ろしい」と思わせることができるからだと思っている。自分はそう感じだ。
恐ろしいものと認知していないものが牙をむき、人肉を本能のまま貪る姿は、ライオンやサメのそれよりも見慣れておらず、
予想外であるためより一層恐ろしく映る。
映画と関係ないがカタツムリの捕食シーンを思い出した。カタツムリがミミズを捕食するシーンをYouTubeで見たのだが、あとノロノロと進み、真の抜けた表情のカタツムリの口から白い、口?みたいなものが目にも止まらぬ速さでミミズを飲み込み、まるで麺を啜るように食べていく。その動画を見た時の気持ちと似たような気持ちを抱いた。
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