けーな

愛は静けさの中にのけーなのレビュー・感想・評価

愛は静けさの中に(1986年製作の映画)
3.7
普段、原題から、かけ離れた邦題がついていると、大抵気に入らないことが多いのだが、この邦題は、とても素晴らしいと思った。この『静けさ』は、まさに、この映画が表現していることであり、タイトルを鑑みるだけで、主人公達の愛も、苦悩も、静けさと共にあることに気づかされ、観終わっても、心に訴えかけてくる。

今作は、聾学校が舞台。そこに新たに赴任してきた教師のジェームズと、そこで働く耳の不自由なサラとの物語。

健常者と聾唖者の隔たりには、胸が詰まる想いがした。と共に、その隔たりを乗り越える愛の力も、痛いほど伝わってきた。

ふと、今、『静けさ』を体現してみようと、テレビ等のスイッチを切ってみるけれど、風の音や、車の音、鳥の声などが聞こえてきて、無音には、ならない。サラが住む無音の世界は、どんななのだろう。それを想像すればするほど、サラを愛するジェームズの気持ちが、痛いほど分かって、締め付けられる想いがする。

    
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