らんらん

伊賀の水月のらんらんのレビュー・感想・評価

伊賀の水月(1958年製作の映画)
2.0
長谷川一夫主演の時代劇、カラー作品
日本三大仇討ちの一つ鍵屋辻の決闘を描く

【内容】
基本ストーリーは鍵屋辻の決闘を描いたものなので割愛(三船、阪妻版と見て来てこれで3度目)

三船、阪妻と見てきた中での一番違いは、事が起こるまでが長い!(反対に事が起こってからは倍速)
前半はほぼ浪人荒木又右衛門(長谷川一夫)が仕官するまでのお話
というかこれオリジナルストーリー?って思うくらい過去の映画化作品とも史実とも異なった流れ

これは何を見せられているんだろう?とずーっと耐えて無事仇討ちを果たします、、、

【感想】
正直つまらない、というか、、、これ仇討ちに至る基本ストーリーを知ってる自分でさえわけわからないんだから、鍵屋辻の決闘を知らない人が見たら尚更何これ?何やってんの?なストーリーだと思う

んーー、なんでこんな事なってんだろう?
普通に見たら何がどうなって今何してるってのがわからない映画だと思う
そもそも登場人物の関係図が整理されていない、各登場人物がどういう関係か描かれないまま進んでいっちゃう、なんじゃこりゃ

普通なら友人同士ながら敵になってしまう武士の辛さとか、奥さんとの切ない別れとか、描くべきところが全くない
そんなことは過去に散々やっていて、あえて新しいことに挑戦してみた映画、と思い込んでみてもそれが上手くいった、面白くなったとは思えない
こんなのを見せられるくらいなら、過去作でも描かれていなかっただろう事の起こりは衆道(男同士の同性愛)の三角関係のもつれみたいなのをやってくれたほうがまだ評価できた(史実らしい)

そもそも仇討ちに関する要所の登場人物がほぼモブ(鶴見丈二とか島田竜三とか聞いたことはあるけど誰なんだと)、で、どうでもいいオリジナルのようなキャストに大物を配してる(市川雷蔵や中村鴈治郎、黒川弥太郎など)
これはダメでしょう、何でこんな配役にしたの?あえて?

あえて、良かった点
三船や阪妻阪を見るに荒木又右衛門はザ・サムライ、そんな硬派な役を長谷川一夫が出来るのか?と思ったんだけど、なかなか良かった
いつものなよなよした感じは出さずに厳しく器の大きい人物を演じていました

というわけで主演の長谷川一夫自体はそんなに悪くない、ストーリー、構成がダメだと思う

あとは、自分だけかもしれないけど河津清三郎と田崎潤の見分けつかないのよ!(以前にもレビューで書いたことあるw)、その他の人もずーっとモブみたいなあんた誰?ってキャストで進むつらさ
あえてか知らないけど市川雷蔵が登場するのが後半のチラッとだけとか
女優陣にしても阿井美千子、近藤恵美子、中村玉緒、浦路洋子、全く印象に残りません

むしろ、、、ノンクレジットの木村玄が四列目くらいのその他大勢の中にいる!ってのが印象に残っちゃったわ、しょーもな
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