ねてぃ

フライ・ダディのねてぃのレビュー・感想・評価

フライ・ダディ(2006年製作の映画)
5.0
※微ネタバレ


金城一紀さん原作、しかもイ・ジュンギさん&イ・ムンシクさんのイルジメコンビが主役とあって超楽しみにしてた!

鑑賞前はこの作品の後イルジメでも(血は繋がってないけど)親子を演じることになったんだよな…としみじみしたり、金城さん原作の「GO」を思い出したりしてました笑

鑑賞後、スカッとした、、
父親と家族とか
高校生と大人とかさあ、、


イジュンギが演じる高校生は、知的で腕っぷしがあり、今の社会とか自分の将来に希望を見出せないんだけど、すごく人情に溢れていて、GOの主人公とも重なるなと感じた。彼の言葉は確かに!と思わせる。


高校生の師匠と会社員おじさんの弟子という師弟関係は、父親が強い・子供が弱いっていう関係性を真逆にした描き方で、斬新で面白い。
一方で後半では、「自分を守ってくれる大人」を求める子どもとそこに応えようとする父親、と言う一面も描かれる。そこは師弟関係とは別の父子の信頼関係だったと思っていて、一気に2人の精神的な距離が縮まった場面だった。
また、最後の最後、おじさんに「ダディ!!」って叫んだ時の2人の表情もくあーーーー!!!っとなりました。ドラマチックに余念がない。


また、1人のおじさんの変化が、他のおじさん達にも影響を与えてるのがすごく素敵だった!
ローラースケートおじさんが最後に生き生きと描かれるけど、見た人に「何かを始めるのに遅いことなんてない!」って語りかけているようで元気をもらえた。


あととにかく見せ方が上手いな〜と思った。
カメラの動きもしかり、構図の撮り方もしかり!素人目だからちょっとうまくは言えないけど…最後の体育館での決戦(そう呼ばせてくれ)も場の空気のどよめきとか、おじさんの気持ちの揺れ・盛り上がりを、まあ走馬灯やら敵の言葉やらカメラの動きやらで、総合的に観客を巻き込む演出が巧みに盛り込まれているなあと感じた〜。ここら辺もっと勉強したいな…笑

主人公が読んでた本の一つが「アリランの歌」と言う、韓国の革命家の本だった。日本語で翻訳版があるので読んでみたいな。

また金城さんの作品の中に描かれる「不良少年」ってめちゃくちゃ魅力的orクズ野郎なんだよね笑 そこがすごく好き。不良って一括りにすんじゃねえぞ!って言われてるみたいで笑 



追記。
日本版の映画だと、原作にあった「日本で生きる在日朝鮮人二世の少年」としてアイデンティティを貫く/揺れる姿を描くことが可能だったりするのか、、、と思い、日本版も見て見たくなっている。韓国版での工夫もあるんだろう(作中読まれている本など?)けれど、まだわかってないな。金城さんの作品は味わいが終わらな過ぎるなあ。
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