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裸のキッスのHKのレビュー・感想・評価

裸のキッス(1964年製作の映画)
3.5
CS録画のサミュエル・フラー監督作品三本立ての最後です。
今回は眠くもならず一番面白く感じられましたが、慣れてきただけ?
それとも観たのが前に見た2本と違って深夜じゃなかったというだけ?
オープニングの劇伴は昔の円谷ドラマのアクションシーンなんかを思い出します。

ある町にやってきた主人公は娼婦の足を洗って新しい人生を始めようとしますが、男社会が故の様々な困難や不測の出来事が次々と起こります・・・

遅ればせながらなんとなくフラー作品の傾向が少しわかってきた気がします。
これまでも精神障害、人種差別、戦争、性倒錯などの要素がありましたが、今回も売春、ジェンダー、障害児、小児性愛など今も昔も不変の未解決材料が盛り込まれています。

一見すると、ちょいとセンセーショナルな要素を加えただけのB級映画のようにも見えますが、ひとつひとつの問題提起は実はかなり重い要素。
ストーリーも行き当たりバッタリに見えるが故に予測不能でもあります。
シンプルな問題提起と変なストーリー展開により、わかりやすいのか難しいのかがわかりにくい独特なテイストと言いましょうか。

思い返せば、昔観た『最前線物語』がやはり一番面白かったというか、わかりやすい映画だった気もしますが、この3本を観てしまうと良くも悪くも一番普通で無難なだけだった気もしてきます。
これは『最前線~』もまた観直してみなきゃ。
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