カメラマンとして有名で、戦場経験もある三村明が監督を務めた作品。
脚本は、三村明を高く評価していた黒澤明。
舞台は昭和十六年、ソ連と対立している満洲。
新たに赴任した香川大尉は、舞台のあり方に呆然とする。
この地を取り締まっていた岸中尉は、部落との信頼も得ていたがゆえ、厳しい取り締まりはせず、皆のんびりとしている雰囲気だった。
軍のあるべき姿にすべく粉骨する香川大尉だったが…
前半はセリフも聞き取りづらく、いまいち没入出来なかったが、次第に話の展開が進み、見入ってしまった。
単なる戦争ものを超越した人間ドラマがとても良く、香川と岸の対極的な関係に揺らされている自分がいた。
戦場を経験していない人間にとっては、未知の世界だが、本作はリアルさとエンターテイメント性がいい具合にミックスされていたのでは無いかと思う。