方眼

コルドラへの道の方眼のレビュー・感想・評価

コルドラへの道(1959年製作の映画)
4.1
1959年”They Came to Cordura”。1916年メキシコ反乱を鎮圧するアメリカ陸軍。戦場での勇者に名誉勲章を与えて、これから欧州への兵隊募集をかける第一次大戦の世論対策としたい。以前の戦場で塹壕に身を隠したことから臆病者との評判が立ち、冷遇されているソーン少佐。無能でうるさい小男大佐の横一列突撃を観察、農場に立てこもるメキシコ兵たちを正面から攻撃して敗戦の危機だったが、作戦の穴を現場で勇敢な兵卒がうめる構図。結果、5人の勇者たちと裏切りの女農場主を連れて、基地のあるコルドラへと向かう。途中メキシコ兵に馬を盗られて徒歩行軍。汽車の線路にたどり着くが基地は遠い。冒頭の戦いはシネスコ画面でダイナミック、黒澤「影武者」っぽいロングの編集、馬と砂埃、勇敢な開門、これは両方が教科書にしているのがフォード砦モノだからだろう。戦闘はこれくらいであとは辛い道中が延々。コルドラはゴルゴタと思えば、少佐はイエスで、5人の兵卒は使徒、なかにはユダ的な軍曹もいて、農場主アデレーデはマグダラのマリア。飲んだり消毒したり、やたらにジンが活躍するのもマリアの香油に模している。少佐はコルドラ直前で一回死にかけ、復活する。兵士への聞き取りを記録した黒い手帳は新約聖書的。ジョン・ウェインが文句言うのもわかるしマッチョ西部活劇を期待すると評価低いだろう。戦争映画であり西部劇だが、「ポセイドン・アドベンチャー」に近い極限状況の集団脱出ドラマ。
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