HK

ロイ・ビーンのHKのレビュー・感想・評価

ロイ・ビーン(1972年製作の映画)
3.8
ウィリアム・ワイラー監督の『西部の男』でウォルター・ブレナン演じる“ロイ・ビーン”を見たら久々にこちらも観たくなりました。
本作の監督はジョン・ヒューストンで、主役のビーンを演じるのはポール・ニューマン(当時47歳)。
原題は“The Life and Times of Judge Roy Bean”

ビーンは西部開拓期の実在の人物で、自ら判事と称して勝手に自分の酒場で法廷を開き片っ端から罪人を吊るし首にしていたという伝説の持ち主です。

かつてブレナンが演じたヒトを食ったような基本キャラは押さえた上で、しっかりニューマン独自のロイ・ビーンが出来上がっている印象です。
人を撃ち殺した数と吊るした数は本作のニューマンの方がだいぶ上で、さすが殺し屋判事ですが史実によると実際に絞首刑にしたのは2人だけでしかも1人は逃走したとか。

共演はアンソニー・パーキンス、ネッド・ビーティ、ロディ・マクドウォール、監督本人も出てますし、アンソニー・ザーブやマット・クラークの他、脇でお馴染みの顔もチラホラ。
白髪の白塗りメイクの殺人鬼がステイシー・キーチだとは言われなければわかりません。
リチャード・ファーンスワースも出てるらしいんですが確認できず。

女優陣はエヴァ・ガードナーにジャクリーン・ビセット。
大御所ガードナーが演じるのはビーンが憧れた実在の大女優リリー・ラングトリーです。
ビセットの役は見てのお楽しみ。

あと忘れちゃいけないのが助演賞もののクマです。本物の熊。
とくにニューマンと彼女役のヴィクトリア・プリンシパルと熊の2人と一匹が戯れるシーンは『明日に向かって撃て!』の自転車のシーンを思い出すほのぼのパートです。

ところで今回観直すまでこんなラストだったとは完全に忘れてました。
独特な作品で若干マニア向けとも言えますから好き嫌いは分かれるかもしれません。

ちなみにニューマンは本作の他にも、ビリー・ザ・キッド(『左きゝの拳銃』)、ブッチ・キャシディ(『明日に向かって撃て!』)、バッファロー・ビル(『ビッグ・アメリカン』)と西部の実在の人物をけっこう演じてますね。
HK

HK