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ロイ・ビーンのペジオのレビュー・感想・評価

ロイ・ビーン(1972年製作の映画)
5.0
「まず吊るせ!裁判はその後だ!」

ここだけ取り出したら完全な異常者の主人公「首吊り判事」ロイ・ビーンがなんでこんなに魅力的なのか!
自分が痛め付けたアウトロー達を保安官に据えて娼婦をその妻にあてがったりして、なんだかんだ面倒見が良い
女好きなのに(いや、だからか)奥さんには頭が上がらなかったり、大好きな女優リリー嬢にはロマンティックな憧れを抱いていたり女性関係は隙だらけ
でも、やるときゃやるぜ!町にやって来たキチガイ系アウトローには距離を十二分にとった上で土手っ腹に一発お見舞い
そこに痺れる、憧れるぅと同時に「ああ…この人には俺がいないとダメだ」と思わせてしまう人たらし系のカリスマ的魅力

そんなロイ・ビーンも時代の波には逆らえず……銃が物を言う時代が終わり、町は工業化が進みギャングが蔓延っていく
西部劇の終焉をそれを象徴する主人公の栄枯盛衰と合わせて描く映画……


……と思わせてからの大逆転劇!
負け犬たちのワンス・アゲイン‼
なんと痛快なことか

無数のエピソードを連ねる語り口は伝記ものでよく見かけるが、死者の回想として語られたり、家族のクマとのほっこりエピソードなど史実まるで無視の「面白けりゃいいんだよ‼」のエンタメ路線が小気味良い

男は好きですよ、この映画
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