甲州へ向かったまま消息をたったお仲を探すところからはじまる、いつになくシリアスめな最終作四作目。
何人か主要キャストが変更になっているところは残念なところです。
冒頭、前作ラストをアバン的に繰り返しますが、タイトなスケジュールの都合によりメンバーが変わったため、三作目のラストをもう一度違うメンバーでやり直しています。このあたり妙に律儀です笑
その気遣いでオリジナルメンバーをそろえてほしいところではありますが(^^;
かつて次郎長が助けた男の仁義にもとる行為。
そしてずっと次郎長が連れ添っていた恋女房のお蝶が…!
それぞれの思いを胸に秘め、次郎長一家勢揃い。
ついに殴り込みをかけにいくクライマックスまでの気持ちのもって行き方が滾ります。
演出的に意外なところでマルチカメラを使っていたり、セットならではの声が響き渡っているところや、刀を剥き身でもっている仲間へ喜んで群がるような刀が刀でない芝居もあり、おいおい(^ ^; と言いたくなるところもないわけではないですが。。
今作は全体的にメロウな雰囲気でしたが、シリーズ通して鶴田浩二のいぶし銀、次郎長親分とまわりを彩るユニークな仲間たちの道中のやりとりは魅力的な空気にあふれていました。
東映版はここで完結ですが次郎長の物語としてはこのあともまだ続くようですね。
様々な理由でここで完結となりましたが、結論を追い求めるよりもその過程の描き方が重要という刹那的スタンスを象徴する今作ラストも、なにか東映「らしい」感じかなと思います。