ぶるーべりー

裸のランチのぶるーべりーのレビュー・感想・評価

裸のランチ(1991年製作の映画)
3.5
害虫駆除のおじさんが上司を叩き潰したり奥さんの頭に風穴を開けたりスパイになったり作家になったりする話。
クローネンバーグ監督の映画は5作目。刺激的な映像表現には慣れてきたものの、今作はどちらかというと話の方にかなりクセがある。
まあ端的に言って話の意図がさっぱり掴めませんでした😅

主人公はどうやら原作者のウィリアム・バロウズという人を投影したキャラクターらしい。
途中主人公が「裸のランチ」という小説を本人も気付かないまま書き上げるというシーンがある。ここから察するに、この映画は原作小説を書きあげる過程をイメージして撮られたのではなかろうか。
色んな人との出会い、別れ、トラブル、ドラッグ、それらは原作者に実際起こったことなのかもしれない。
医者だの呪術師だのは出版関係の偉い人だったりするんだろうか。
…と、なんとか理屈で説明出来そうな部分はそれぐらいで後は概ね意味が分からない。

あるいは冒頭シーンの「理性的な思考を殺せ」というセリフの通りそもそも意味なんて無いのかもしれない。
そうするとちょくちょく出てくる「虫」は理性的な思考の象徴で、だから駆除されたり潰されたりしているのかもしれない…?
そう考えると「理性を駆除する薬」と言う意味で害虫駆除剤でトリップできる説明も付きそう…。

と、あれこれ考えるのが楽しい映画ではあるけど明確な答えは提示されていないと思います。

あと他のクローネンバーグ監督作品よろしくキモチ悪い感じのものは色々出て来るけどタイプライターの虫は動きがちょっとかわいかったw
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