【ドキュメンタリー風で真摯な映画ではあるが】
ブラッド・ピット製作、マイケル・ウィンターボトム監督作品。
9・11直後のパキスタンのカラチ。インタビューに出かけた米国人ジャーナリストが行方不明となる。その妻であるフランス人ジャーナリスト(アンジェリーナ・ジョリー)は、出産を間近に控える身でありながら、必死に夫の行方を探そうとする・・・。
実際にあった事件をもとにした映画だそうである。そのせいか、作りはドキュメンタリー風で、カラチの街や人の様子をちりばめたり、ヒロインやその友人が事件の真相を追う様をきわめて散文的に、つまり物語風ではなく、追っている。バックグラウンドミュージックも意図的に控え目な使い方をしている。
しかしそれで迫真性が出ているか、というと、どうも疑問。ドキュメンタリー的な映画としても面白みが希薄なのだ。
この辺、映画的な面白さを意図的に回避した制作側の読み違えじゃないか、という気がする。真摯な作品ではあるのだが。