このレビューはネタバレを含みます
ハマってしまったマイケルウインターボトム監督作品4作目。相変わらずのカメラワーク。
アメリカ人ジャーナリストがパキスタンで誘拐されてしまう。その妻マリアンヌにアンジェリーナジョリー。強い女性役がとても似合っていて良かった。何年か前に観た「チェンジリング」とかぶる。こちらは息子を誘拐された母役として。
どちらも辛すぎる心情が伝わってくる。
人質を救出しようとするチームの一人、キャプテンに「めぐり逢わせのお弁当」「ジュラシック・ワールド」「ライフオブパイ」などのイルファーン・カーンも出演していて嬉しかった(o^^o)「めぐり逢わせのお弁当」の時のじわじわくる、渋くてカッコ良い初老役が好きで。。。
連絡が途切れてマリアンヌが捜索願を出したとき差し出したパスポート用の写真が。。。
悪意ある新聞記者によって、写真と共に人質はイスラム教徒にとって敵と思われる「アメリカ人」「ユダヤ教」「スパイ」だと推測される情報が、新聞に掲載されてしまう。殺害されて欲しいのか?
映画ながら腹立つなぁー!悪意ある新聞記者による情報漏洩、そして、サイコパス犯人から殺してないのに殺しただとか、嘘だらけの情報、、、
これだから、誰も信用ができない。宗教にとらわれずにただ、真実を伝えたいジャーナリストも、所詮騙されてあっけなく誘拐されてしまうのだから。だから批判されても仕方がないと思ってしまう。命をかけて両者に真実を伝えたいという使命が、ニュースの向こう側の一般人にはあんな国行って、バカなことして、となってしまうんだよね。
↓↓↓更にネタバレ(これから観ようとするなら読まないでくださいね)
命日が後藤健二さんと同じ2月1日とは。
あの時の「助かって欲しい」と願った気持ちを思い出してしまった。
実話に基づいた2007年制作の映画なのに、夫を殺されても「テロに屈しない」と取材に答えるマリアンヌ。2002年の出来事だから、その時の言葉なら、この時期から、テロにあった人達が口々に「テロに屈しない」、と、言い続けてるんだ、と。
でもテロリストは減らない。
今暴走車とか空港とか狙うから更にヤバイんでないの?
だから、ジャーナリストは本当に危険な仕事なんだよね、イスラム教徒には過激派ではなく純粋ないい人も多いからつい気を許してしまうんだろうね。
テロリストは用意周到に計画して誘拐するから怖いね。。ウルドゥー語と英語使いこなす共犯者を見つけたり、頭がいいんだよね。
夫が人質として囚われてる間に、
どれだけ妊婦にストレスを与えたか。
どれだけお腹のわが子に会わせたかっただろうか。
想像しただけで下腹部が痛くなる。
テロリストは非情だね。
夫を殺されて強かったマリアンヌが初めて泣き叫ぶシーン、
弱々しい声で「愛してる」と1人ベッドでつぶやくマリアンヌに真実味があり泣けてきた。
アメリカ側の映画だからどうしてもパキスタン「悪」になるけど、無人機で爆弾落として子供をたくさん殺してるのもアメリカだもんね。パキスタン🇵🇰人の旦那にこの映画を観せても響かない映画なのかもしれない。
旦那とテロの話になった時に、結婚当初から「911の黒幕はユダヤ人だ」と教えてくれたけど、この映画のセリフにも出てきたのでなるほど、とようやく納得。
パキスタン人全員がそう洗脳されているのかもしれない。
真実は知らない方が幸せなのかもしれないね。
目には目を、歯には歯を。と殺し合いになってしまうから。でも嘘の真実の方が怖いかな、、、、
自分ジャーナリストじゃあるまいし、そこまで怖がらなくてもいいんだけどね。あってもせいぜい、ママ友とか同僚とかご近所さんとか狭い世界のトラブル止まりだろう(笑)