ナツミオ

尼僧物語のナツミオのレビュー・感想・評価

尼僧物語(1959年製作の映画)
4.4
NHK-BSPプレミアムシネマ録画鑑賞

”尼僧がたてなければならない3つの誓い(貧困、純潔、服従)“

初鑑賞。
オードリー・ヘプバーン主演。
オードリー主演作品でまたお気に入りが増えました‼️

父の死後、僧職を捨ててナチに対抗することを決意した当時のベルギー及びベルギー領コンゴで看護師をつとめる尼僧の葛藤、
実在のマリー=ルイーズ・アベ(シスター・ルーク)の半生を描くヒューマン・ドラマの名作。

受賞歴
・アカデミー賞8部門ノミネート
(作品・監督・主演女優・脚色・作曲・撮影・音響・編集賞)
・ゴールデングローブ賞6部門ノミネート
(作品(ドラマ部門)・監督・主演女優(ドラマ部門)・助演女優賞イーディス・エヴァンス・国際賞)
受賞(特別業績賞)

・英国アカデミー賞5部門ノミネート
(作品・英国男優賞 ピーター・フィンチ)・英国女優ペギー・アシュクロフト・国際連合賞 フレッド・ジンネマン)
1部門受賞(主演女優賞)

・ニューヨーク批評家協会賞
2部門受賞(監督・主演女優賞)

・サン・セバスティアン国際映画祭
2部門受賞(最優秀作品賞(ゴールデン・シーシェル)フレッド・ジンネマン・主演女優)

・ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞
主演女優賞受賞
他多数

原題 『The Nun's Story』

1959年米作品カラー
監督 フレッド・ジンネマン
製作 ヘンリー・ブランク
原作 キャサリン・C・ヒューム
脚本 ロバート・アンダーソン
音楽 フランツ・ワックスマン
撮影 フランツ・プラナー
出演 オードリー・ヘプバーン ピーター・フィンチ ディーン・ジャガー イーディス・エヴァンス 

翻訳者 森みさ

(NHK番組内容より)
ベルギーの医師の娘ガブリエル(ヘプバーン)は、尼僧となるために修道院に入ることを決意する。厳しい修行を乗り越え、やがて念願のコンゴでの医療活動に励むが、次第に医療の使命と宗教戒律との矛盾に苦しんでいく…。
監督は「真昼の決闘」「地上より永遠に」などを手がけた名匠フレッド・ジンネマン。

ジンネマン監督による、ドキュメンタリー・タッチの人間ドラマ。
キャサリン・ヒューム女史のベストセラー小説をもとに実在する1人の修道尼の半生の物語。

余談だが、当時のローマ・カトリック教会の力は強大で撮影時のエピソードを見るとかなり面倒くさく大変だったよう⁈


【印象のシーン】ネタバレあり
・”尼僧がたてなければならない3つの誓い(貧困、純潔、服従)“

特に、“服従” は自分の考えを捨てて、
 “盲目的服従“
を求められることに驚き、またガブリエルが苦しんだ最大の理由でもあった。


・ガブリエルの結核診断後、フォルデュナティ医師は彼女に語る。

“大勢の尼僧と働いたが
 君はどの尼僧とも違う
  人間的だ だから患者に人気がある
 自分の考えにこだわる
  修道女に向かないタイプだ
   それが本当の君の病気だよ”

この言葉がガブリエルの心の奥で常に響くことに…


・ベルギーへの帰還命令のあと

”引き止めたい お互いのために“

彼の想いも滲むセリフ‼️


・ガブリエルが乗る汽車の客室一杯の……

同僚や仲間たち、地元民、フォルデュナティ医師、子供達、多くの人たちに見送られながら。


・エマニュエル院長とガブリエル

“もう心を決めたのです 力が尽きました”

エマニュエル院長の苦悩と諦め?の表情。


・ラスト
ドア越しに外界に向かって歩くガブリエルの後ろ姿。決して振り返らない彼女に、決意の強さを見た。


修道院を去る直前のシーンから音楽は一切ない。
その理由を監督が語っていた。
Wikipediaより

ジンネマン監督はジャック・ワーナーから“何故音楽を使わないか?”の問いに、

”もし楽しい音楽を使えば、ワーナー・ブラザースは尼僧が修道院を出て行くのを祝っていると思われるでしょう。もし音楽が重苦しかったら、観客は気が滅入るでしょう。どうやって観客の心を掴むのかわかりませんね“

カトリック教会への配慮もしつつ、
こうして静かに去っていく名シーンが出来上がった。

オードリーは『許されざる者』(1960年) 撮影中に落馬し骨折したが、その際にヘプバーンの専任介護に当たったのが他ならぬマリー=ルイーズ・アベ(ご本人)だったそう⁈

オードリーが自身の作品で一番お気に入りだったと言われている作品。
彼女の演技に引き込まれる。
オードリー主演作品でまたお気に入りが増えました‼️
好きな作品トップ3には入る名作‼️



【忘備録】
(キャスト)
・ガブリエル・バン・デル・マル
(シスター・ルーク) Sister_Luke
- オードリー・ヘプバーン
若くして尼僧となる医療従事者

・フォルテュナティ博士 Dr.Fortunatie
- ピーター・フィンチ
コンゴの僻地医療に従事する外科医

・マザー・エマニュエル
Mother Emmanuel
- イーディス・エヴァンス
修道院長

・マザー・マチルダ Mother Mathilde
- ペギー・アシュクロフト

・バン・デル・マル博士 Dr.Van Der Mal
- ディーン・ジャガー
ガブリエルの父

・シスター・マルガリータ 
Sister Margharia
- ミルドレッド・ダノック
修道院師長

・マザー・クリストフ Sister Christophe
- ビアトリス・ストレイト

・シスター・ウィリアム Sister William
- パトリシア・コリンジ
修道女。ガブリエルの先輩。

・シスター・エレノア Sister Eleanor
- ロザリー・クラッチェリー

・マザー・マルセラ Mother Marcella
- ルース・ホワイト
修道女の先輩。
ガブリエルに試験に落ちるよう依頼する

・マザー・ディディマ Mother Katherine
- バーバラ・オニール

・シスター・ポーリン
- マーガレット・フィリップス
修道院の同僚。
ガブリエルより先にコンゴへ赴任する

・シモーヌ Simone
- パトリシア・ボスワース

・大天使ガブリエル Archangel
- コリーン・デューハースト
ブリュセル近郊の精神病療養所の入院患者
自身を天使と思い込んでいる

・アンドレ神父
- フランシス・デイミア

・グーバーツ博士
- ライオネル・ジェフリーズ

・フェルミューレン司教
- ナイアル・マクギニス

・シスター・マリー
- エヴァ・コットハウス

・シスター・オーガスティン
- モリイ・アークハート

・シスター・オーレリー
- ドロシー・アリソン

・ルイーズ
- ジャネット・スターク

・イルンガ
- エロール・ジョン
コンゴ人の助手

・リサ
- ダイアナ・ランバート

・カルル
- オーランド・マーティンズ

・シスター・エレン
- ダラ・ギャビン
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