Casablanca

尼僧物語のCasablancaのレビュー・感想・評価

尼僧物語(1959年製作の映画)
3.3
公開当時としては、「尼僧の閉ざされた世界を赤裸々に描いた」という触れ込みで、監督がフレッド・ジンネマン、主演がオードリー・ヘプバーンとくれば、相当注目度は高かったのであろう。確かに、理不尽な「禅譲」を強要する先輩シスターや、呪術師に唆されたアフリカの現地人に撲殺される善良なシスターは、衝撃的と言えなくはない。

ただ、物語は核心に迫ることなくスルーして先に進んでしまうので、深みは感じなかった。また。オードリーが一人前の尼僧として活動し始めるまでで、既に40分が経過していて、間延びしすぎの感は否めない。

最後のシャバに開け放たれた扉の向こう側の狭い通路を抜けてゆく主人公の場面は、今となっては使い古された感じも少々するが、なかなか印象的ではあった。

尼僧として次々登場するミルドレッド・ダンノック、ビアトリス・ストレイト、ペギー・アシュクロフトなどの実力派女優が大挙出演している映画は珍しくこの点は楽しかった。
フランツ・ワックスマンのスコアは悪くはないが、この頃の映画にありがちな過剰な音付けは、少々わずらわしい。。