なかずかい

尼僧物語のなかずかいのレビュー・感想・評価

尼僧物語(1959年製作の映画)
3.7
尼僧としてベルギーの精神病院やコンゴで医療従事するシスター・ルーク。戒律と自身の生き様との乖離を肌身で感じるようになっていく。
5年くらい前にオードリー・ヘップバーン展行ったときから気になってた本作。時代に即したリアルな描写なのかは全然分からないが、現代日本の医療とは全く違うものが出てくるのが面白かった。
ハンセン病と結核を間違いました、みたいな件あったけどそりゃまあどっちも抗酸菌だもん。

コンゴ現地の土着の宗教に対して先輩シスター達が見下しているのを感じたりするのがしんどいのだが、これが時代性なのか、シスター・ルークと戒律の乖離の描写なのかの判別がなんとも分からない。個人的には後者なんじゃないかとは感じるのだけれど、シスター・ルークと噛み合っていないのは戒律というよりかこの修道院の中の空気感なんじゃなかろうか。
シスター・ルークは頑固なだけじゃなくて多分頭が良いのだと思う。でもって不器用。不器用な頭の良い人ってどんなに馬鹿正直に受け入れなさいと言われようと思考が止められなくて結局パンクしてしまう。そんな利発で頑固な彼女とオードリー・ヘップバーンは実に噛み合っていたね。
ラストシーンで小さくなっていく後ろ姿が頭のどこかに引っかかる。
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