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メン・イン・ブラックのRのネタバレレビュー・内容・結末

メン・イン・ブラック(1997年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

実家で。

1997年の「MIB」シリーズの1作目。

監督は「アダムス・ファミリー」シリーズのバリー・ソネンフェルド。

あらすじ

ニューヨーク市警のジェームズ・エドワーズ刑事(ウィル・スミス「アラジン」)はとある事件の犯人を追い詰める最中、その犯人が普通の人間ではないことを知るが、あまりにも奇天烈な話で誰も信じてくれない。そこに、K(トミー・リー・ジョーンズ「記者たち〜衝撃と畏怖の真実〜」)と呼ばれる黒い背広姿の男が現れ、自分が所属する組織「MIB」にスカウトする。

Netflixにて、最新作公開だったので、久しぶりに鑑賞。

当たり前だけど、やっぱめっちゃおもしれー!!

まず、冒頭の掴みのシーンからグッと引き込まれる。トンボの飛行シーンからティム・バートン作品風のフォントから成るオープニングロールで丹念に流しつつ、グシャ!な顛末、そこからどうやら密入国してきたらしい移民の中にエイリアンが紛れ込んでいるくだりへ入ってからはK登場!からのエイリアン正体発覚、姿を見られ激昂したエイリアンにKが光線銃でバーン!

矢継ぎ早に書いてしまったけれど、そこまでわずか10分あまりの出来事に対してこれ以上ないほどのテンポの良さ、うーむ、初っ端からアガるわー。

そして、シーンの最後には今シリーズの代名詞的マシンとも言える「ニューラライザー」の赤い光でピカッ✴️

人々は非現実的な記憶を消され、偽りの記憶を植え付けられ日常生活に帰っていく…。ここだけで「MIB」がどういう映画なのかをスマートに描きこむ、バリー監督の手腕を堪能できる。

話は主軸に入り、今作のもう1人の主人公であるウィル・スミス(今もあんまり変わらないけど、やっぱこの頃は若々しい)演じるエージェント名「J」との出会いのパートへ。

この人本当に刑事?と疑問に思わざるを得ないようなヒップホップ全開のルックはさておき、まだ全然この世界観のことをわかってないJがKの所作(いきなり銃器店の店長に光線銃をブッパする)に慌てふためいたり、MIB組織内部でのエイリアンとの遭遇にポカーンとしていたりと初々しいというか一般人代表として観客側に寄り添った素直な反応が面白い。

加えて、トミー・リー・ジョーンズとのこれ以上ないほどのナイスバディっぷり。

始終むっすりとしたKに対して、軽口叩きながらツッコミを入れるJの凸凹コンビ的な掛け合いは心地よく、やっぱMIBと言えば、このコンビしかいないと思わずにはいられない。ハンバーガーにコーラ、ご飯に味噌汁みたいなそんな安定感だ。

あとは、やっぱりなんといっても今作の世界観。

一見グロテスクされどユニークなデザインの多種多様なエイリアンたちが行き交う組織内部でのシーンを筆頭にナメクジみたいなダーティーなエイリアンやジャージャービンクスみたいなフランクなエイリアンたち、パグ犬に化けたフランクや生まれたばかりの赤ん坊エイリアンの可愛さなどなど、枚挙にいとまがないほど出てくるエイリアンが個性豊かでそれだけで楽しい。

中でも今作の悪役でもあるバグの悍ましさと言ったらない。

まぁ、言ってしまえば超巨大ゴキブリなわけなんだけど、まず、戦闘力たったの5か…ゴミめな農夫エドガー(ヴィンセント・ドノフリオ「デス・ウィッシュ」)の皮を剥いで、なりすます際のサイズ感の合ってない気持ち悪さ。

だんだんと時間が経過することで、多分エドガーの外皮の腐敗具合もあるんだろう、明らかに変色した顔色と引きつり具合、そしてバグ本来の常軌を逸した挙動を見せるドノフリオの怪演もあって、日常生活で出会ったら、まず踵を返してダッシュで違う道を行きたくなるようなインパクトっぷり。

また攻撃手段も虫っぽいぐちゃぐちゃ粘液を飛ばしたり、口から昆虫らしい手?足?を出したりといちいちキモいんだけど、まぁその攻撃理由が「同胞(虫)を殺されたから」という割と真っ当な人間味(昆虫味?)も見せたりと、そのくせ憎めないキャラクターだったりとする。

終盤では、遂にエドガーの皮を破って、超巨大ゴキブリの本性を露わにするんだけど、怪奇映画風のババーン!な登場と相まって、やはり今シリーズにおいて、個人的には1番印象深いエイリアンだった。

2も3も面白いけど(そして、どうやら評判の芳しくない最新作あってしても)やっぱり何だかんだ原点であり、唯一絶対なこの一作目こそ、「MIB=メン・イン・ブラック」そのものであり、間違いなく今後もなんども観たくなる、そんな愛すべきジャンル映画だ。
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