町蔵

想出の丘への町蔵のレビュー・感想・評価

想出の丘へ(1919年製作の映画)
4.0
(ヴァイオリン演奏:安田つぐみ)
メアリー・ピックフォードの絶頂期
■1909年。まだハリウッドが存在しない頃から子役としてグリフィス作品に出演しブロードウェイの舞台でも活躍していたメアリー・ピックフォード。1913年には〝アメリカの恋人〟と言われ、最初のスタア女優となった。
20代前半には若くして〈パラマウント社〉傘下の製作会社を興し、自身がプロデューサーも務めて巨匠たちと映画製作に乗り出す。ここでは1917年の「貧しく豊かな少女」「小米国人」そして1922年の「雀」などを紹介してきたが、今回はその間1919年〈ユナイト社〉設立直前の作品。16歳の山娘から、都会に出て洗練され20代の大人になるまでを見せる珍しい作品。
「想い出の丘へ」
Heart o' the Hills
1919/U.S.A./18コマ/87min
メアリー・ピックフォード・プロ作品 
ファースト・ナショナル社配給
監督:シドニー・A・フランクリン、ジョセフ・ド・グラス 
脚本:バーナード・マッコンビル
原作:ジョン・フォックスJr 
撮影:チャールズ・ロッシャー 美術:マックス・パーカー
出演: メアリー・ピックフォード(メイビス・ホーン)
  ハロルド・グッドウィン(少年ジェシー)、
  サム・ド・グラス(養父スティーブ・ハニカット)
   クレア・マクドウェル(メイビスの母)、
  フレッド・ハントリー(祖父ホーン)
  アラン・シアーズ(青年時代のジェシー)、
  ジョン・ギルバート(ペンドルトン青年)、
  ベティー・ボウトン(その恋人)
  ヘンリー・ハバート(資本家サンダース) 、
  W・H・ベインブリッジ(ペンドルトン大佐)
●南部ケンタッキー山奥の民。少年ジェイソンは、養父と一緒に先祖代々の家で暮らす。隣に母と住む幼馴染の娘メイビスは数年前に父を殺され、犯人を探そうとやっきだった。メイビスの母はジェイソンの養父との結婚を考えていた。だがそれは石炭が出る土地を巡る争いの始まりであった。ジェシーの養父ハニカットは、平地の資本家サンダースと組んで石炭の出る土地を手に入れる為にメビウスの母を誘惑していたのだ。都会から来た資本家が山を壊そうとしていたことが発覚し闘うことに。メイビスは都会の青年ペンドルトンたちとも知り合うが…。
■メアリーのファースト・ナショナルでの最後の作品。山岳地に住み、独自の掟をもつ〝ヒルビリー〟の娘を演じた。娘から大人までをメアリーが演じる。母親役はグリフィス作品「女性」などでも共演したクレア・マクドウェル。また後にMGMでスターになるジョン・ギルバートが都会のお坊ちゃんを演じた。

メアリーピックフォードの演技の素晴らしさに驚く
横顔ショットは映画しに残るくらいの素晴らしさ
安田さんのバイオリンが盛り立てる
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