ひれんじゃく

黄金のひれんじゃくのレビュー・感想・評価

黄金(1948年製作の映画)
3.2
説明パートの前半は若干ダレてた感があったけど、実際に金を掘りに行くパートから期待を裏切らない感じになって普通に満足して終わった。以下少しネタバレ。




















「俺はそんなに要らない、目標額を超えたら満足して帰るさ」って盛大にフラグを立てた人が案の定守銭奴になるの、わかりきってたけどそのあとの心理戦を固唾を飲んで見守ってしまった。目線が思わせぶりに映されてたのでお爺ちゃんを疑ってたけどミスリードだった。むしろお爺ちゃんは聖人に近かった。相棒の言葉を悉く「それはつまり俺の金を狙ってるからそう言うんだろ?😡」に変換してしまうのが恐ろしい。今から見ると使い古されたあるあるのネタかもしれないけど、金銭的豊かさへの欲望とそれへの訓示を説いてるって点でいつの時代も変わらないなあと思ったり。自分から銃を撃ちかけて追い払った黄金帽子のギャングに襲われて死ぬとか因果応報もいいところ。
銃撃戦に巻き込まれて死んだ人の奥様のところに手紙持って会いに行くとかそれもどうなんだ?と思ったけど、まあ農園で働かせてもらうとかならわかる気がする。こちらも将来の夢がきっちり叶う形になっててなんだかんだで丸く収まってていいなと思った。ギャングの処刑時自分で穴を掘らせるくだりとか、前半で与えられた情報が後半で回収される作りが綺麗。
そして10ヶ月かけて掘った金がその価値をわかっていない人の手によって捨てられ、風に攫われて山に帰ったところを大笑いするシーンがやはり好きだな。なんて馬鹿らしいことに執着してたんだ俺たちは!ワーッハッハッハッ!みたいな。大きすぎる欲望を持つと破滅するし周りにも迷惑をかけるよという大変わかりやすいメッセージ。あの分かりにくい銃撃戦から色々あってこんにちのアクションへと繋がったのかと思うと感慨深い。
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