ちょちょ

ドゥ・ザ・ライト・シングのちょちょのネタバレレビュー・内容・結末

ドゥ・ザ・ライト・シング(1989年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

むちゃくちゃよかった!
Hiphopにハマった頃に見て20年ぶりぐらいに見たのだけど、こんなに良い映画だったとは...
アメリカのアフリカ系の若者の話で、アフリカ系に対する理不尽さについての描写もあるんだけど、アフリカ系の人達だったりその周辺に興味がある人達だけのための映画では収まってない魅力があると思います。
しょーもない主張が原因のいさかいから、暴動に発展してしまうのですが、キング牧師の「『目には目を』の考えは全ての人を盲目に導く」って言葉が全てやなぁと思いました。
って、そーいう教訓っぽいテーマもあるんだけど、何より映画としてカッコいい!!登場人物のファッションやら街並みがすげぇクールだし、カメラワークも凝りまくってる。画の色使いがとてつもなくカッコいい!あと、今は機材が小さいから、本作のようなカメラワークは簡単に出来るだろうけど、これ当時だと結構大変だったろうなぁと思う。陰影の付け方とかもいちいち凝ってて、絵になるシーンがバンバン出てきてキメキメでカッコええ。あとストーリーとはあんま関係ないタランティーノっぽいダラダラおしゃべりが結構あって、それが面白かったり興味深かったりする。サミュエルLジャクソン出てるし。
Black lives matterを経た現在に見ると、その問題と重ねて見てしまうところがあるのだけど、この映画の本質はアフリカ系に限定対象にしたものでは決してないから、より多くの人が見たらいいと思う。
以下雑記。
〇にしても、なぜに騒ぎをうんざりした感じで見届けてたムーキーは、更に暴動に発展してしまいそうなきっかけを作ったんだろうか。普段の鬱屈の発散?→(5.24追記)あそこで注意をお店に向けとかないと、イタリア系家族がボコられるから、というのが他の人の考察で分かりました。なるほど。
〇火を放ったのがスマイリーだったっていうのは暗喩にしてもちょっと安直すぎじゃろって思った。キング牧師とマルコムXの写真を壁面に飾ったシーンはすげぇ怖かった。
〇イタリア人兄弟はもう少し布面積を大きめにした方が良いと思い続けた。
〇この夏は、ナイキのスニーカーにミドル丈のソックスを合わせて履きたい気分になった。
〇ラジオDJが狂言回しっぽく登場するのは「アメリカグラフィティ」の影響らしいけど、もともとのルーツは「バニシングポイント」?バニシングポイントもカッコええです!
〇たしかに差別は存在するけど、問題の本質はそこじゃない。冷静になって正しいことをしろ!っていうメッセージを感じた。だってそうだよね、本作のトラブルの原因は「差別」というより「わがままに近い主張、思い込み」「暴力」「やりすぎ」だもんね。
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