スパイク・リー監督の伝説的ブラックムービー。
前半は黒人街の模様を伝えているがやや冗長な印象があった。昨今の運動の興隆によって多くの映画がつくられ、この空気感に既視感があっただからだろうか。ただ後半にかけての化け加減が良かった。
カオスなのだけれども、それぞれの人間の根本に持つ危うさの発露として巻き起こる争い、終わらない暴力の連鎖。ちいさな街のちいさな事件だけれど、現在の問題にも通ずるような根深いものがある。
カット割やテンポ感の気の抜けた面白さがあり、ポップでもあった。人間のうるささ、夏のうだるような暑さ、肌の汗、もうもうとした人間の煩わしさが作品一帯を包むような良作です。