れお

おと・な・りのれおのレビュー・感想・評価

おと・な・り(2009年製作の映画)
4.4
多分この作品を視覚障害の人が観てもあふれる生活音、雑音、会話、口ずさむ曲、あらゆる音のなかでどんな生活を送っている人たちか頭の中で想像できると思う。

何気なく日常を過ごしていると全く気づかない風の音、車の音、足音などの「基調音」によって知らず知らず自分自身が癒されて通常の自分を取り戻してくれるのが発見できてすごく良い作品だった。

花、部屋、コーヒー、加湿器、シャッター音。そして主人公ふたりのナイーブさがとても心落ち着く大好きな作品。音から始まる恋、そんな恋が現実にもあったら素敵だな。

本編を通じて主人公の二人が直接言葉を交わす場面がほとんどないのに、お互いの存在を意識し合っていることが伝わってくる。その後の二人がどうなっていくかエンドロールの会話から、良かったなと。
れお

れお