Uえい

階級関係 -カフカ「アメリカ」より-のUえいのレビュー・感想・評価

2.5
隣の人が頻繁に座り直していて、古い椅子なのでガタガタ動き迷惑だった。あぐらをかき始めた時はキレそうになった。一生公共の場に近づかないでほしい。

ストローブ=ユイレの二人の作品を初めて見た。事前に少し情報入れていたらもう少し楽しめたかな。入門にはお勧めできないと思う。

ストローブ=ユイレはヌーヴェルヴァーグの文脈で知ったのだが、アメリカというタイトルで、殆どドイツ語という点で混乱した。監督はアルジェリア戦争の徴兵逃れのためドイツにいたらしい。そして題名は原作にしたカフカの作品名で、カフカもアメリカに行ったことが無かったのでドイツで撮ったとの事。そして、セリフは全て原作の文章のまま読み上げているらしい。

ドイツ人の青年ロスマンはアメリカに移住する為、アメリカ行きの船に乗っていた。船上で偶然叔父にあい、世話になるが、ある日追い出されてしまう。仕事を探しながら、宿屋であったデラマルシュ、ロビンソンと行動を共にするが、ホテルで働けることになり、別れる。真面目に働いていたが、ロビンソンがホテルにやってきて問題を起こす。

移住先のアメリカで、偶然か運命の流れに身を任せ、ただただ漂流している様子を、カメラはフィックスで撮られていて、観察しているかのような感覚だった。

出でくる登場人物が、コテコテのステレオタイプ的な人達だったのが印象に残った。現在のSNS上では、登場人物のような極端な人たちの極論が日々物議を醸しているが、そんな白黒はっきりした世界についていけず、弾き出される感覚に、主人公を重ねて見てしまった。
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