レッドアップル

階級関係 -カフカ「アメリカ」より-のレッドアップルのレビュー・感想・評価

3.8
ブレッソンは、映さないけど繋がってる。
ストローブ=ユイレは、映さないし繋がらない。
人物同士が巡り合っても、カット同士が交わらず、空間的なつながりが常に希薄。
たとえ人物同士の物理的接触によって空間が結びついても、アクション繋ぎを周到に回避するから、今度は時間的なつながりが遮断される。
人とのつながりも損しか生まない。自分の人生を他人に左右され、ジャッジされ続ける。アメリカという大文字の他人から、友達や上司といった小文字の他人にまで。
未完の物語とはいえ、結末は目に見えてる。あの仕事に受かっても落ちても、自分の人生の決定権を他者に握られている事実は変わらない。

そこにあるのは階級関係、ひいては依存関係。