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ユナイテッド ミュンヘンの悲劇のTJのレビュー・感想・評価

2.5
世界のあらゆるスポーツクラブで、最もファンが多いと言われるマンチェスター・ユナイテッド。1950年代、名門の礎を築いたThe Red Devilsを襲った悲劇の実話を、当時のコーチ、ジミー・マーフィーと若手ボビー・チャールトンを中心に描いた本作。

語弊はあるが何度も悲運が重なったこのドラマはフィクションよりもドラマチックである。1958年欧州全土を寒波が襲った2月、チームは快進撃を続け選手は過密日程の中、欧州王者へ後一歩のところに迫っていた。機械トラブルで2度、3度目も選手がパスポートを忘れたことにより予定より一時間遅延しミュンヘンを発つチャーター機は、離陸に失敗し墜落。選手たちは悪天候で揺れる機内の中後部座席に移動していたが、それが逆に犠牲者を増やす結果となった。選手のうち8人の死者を出し他の2人も選手生命を断たれた。

そんな中GKハリー・グレッグは同乗していた外交官の母娘や監督を救出(今作では触れられていないが)。事故先日デビューしたばかりのボビーは精神的苦痛から立ち直り、マーフィーやバズビー監督と共にチームを再建。事故から10年後、後進のジョージ・ベストやデニス・ローと共に悲願の欧州王者を勝ちとり、祝勝会に出ず妻と部屋で泣き暮れていたという。

サッカーの母国イングランドの主将としてW杯で初優勝、現在も代表最多得点。サーの勲章と旭日小褒賞を受賞、ベッカムの才能をいち早く見出す等ボビー・チャールトンの功績は計り知れない。チームのエンブレムに輝く不死鳥は当時の奇跡的な復活を称えた名残であり、彼らの血は今も引き継がれている。

プレミアサッカー、特にマンUが好きで巡り会えた今作。知らない事実が多かったけどこのチームのファンであることを心から誇りに思う。事故の全容とその後の躍進を描くには時間が足らずの印象ですが、サッカー好きには是非見てもらいたい。

Glory glory Man united‼︎
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