爆裂BOX

unknown アンノウンの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

unknown アンノウン(2006年製作の映画)
4.0
閉ざされた廃工場で意識を取り戻した5人の男達。全員記憶を失っていた彼らは、僅かな手がかりから彼らのうち二人が誘拐された人質で、三人が誘拐犯であることが明らかになるが…というストーリー。
ジム・カヴィーゼル主演のサスペンス・スリラーです。
廃工場に閉じ込められた5人の男が意識を取り戻すも、記憶を失っているという「SAW」の様な幕開けですが、拷問シーンやスプラッターシーンはなく、スリラーとして進んでいきます。
混乱状態の男達ですが、廃工場の中にある僅かな手がかりから自分達が誘拐犯と人質であると知るも、誰が人質で誘拐犯かわからず疑心暗鬼の混乱状態の中、誘拐犯のボスから電話がかかって来て日没までにここに来るという物だったという内容です。
誘拐事件を追う警察のパートもあるものの、ほぼ全編廃工場内を舞台にした密室劇となっています。記憶がなく、椅子に縛られた男や撃たれて手錠で繋がれた男などがいる異様な状況下で目覚め、誰が敵で味方かわからない状況で疑心暗鬼に陥りながらも誘拐犯のボスが到着するまでに脱出する為協力していきますが、派手なシーンはないながら引き込まれて飽きずに鑑賞出来ました。
ジム・カヴィーゼルは悪人ではないだろうなと思いながらも段々蘇ってくる記憶からやむを得ず誘拐に手を染めたのかなと思わせますし、他の面々も、バリー・ペッパーにグレッグ・キニア、ジョー・パントリアーノにジェレミー・シストとクセ強めの俳優陣なので、誰が誘拐犯で人質か読めないのが良いですね。ジェレミー・シスト繋がれてほぼ目立たなかったですが、最後に主人公に語り掛けた言葉によって皆がぎこちないながらも一致団結し始める所良かったですね。
多少揉めたりはすれど、基本皆割と協力的なんですよね。そこはちょっと新鮮だったけど、その分ドラマ的な盛り上がりは少なくなったかな。
ジム・カヴィーゼルつながりって訳ではないでしょうか、「パーソン・オブ・インタレスト」からはファスコ役のケヴィン・チャップマンもチョイ役で出ていますね。後、同じくチョイ役の刑事役でドラマ版「リーサル・ウェポン」のリッグス役のクレイン・クロフォードも出ています。
ピーター・ストーメアが誘拐犯のボス役で、こういう役ハマりますね。
スト―メアたちが到着してからの展開も、土壇場で裏切りが有ったりと二転三転して良かったですね。主人公に殺された奴意味不明だっただろうな。そこからの主人公の正体が明らかになる展開と攻防もハラハラできて良かったですね。鼻折られた人は最後の最後に助けようとしたばかりに可哀想だったな。
全て解決したと思わせてからの更なるどんでん返しも良かったです。あラストの後主人公はどう決断するのか。黙ったままかそれとも…
しかし吸い込んだら一時的に記憶喪失になるガスって、ここだけちょっとSFでしたね。
全体的には小粒な感じはありますが、最後まで飽きずに見れる密室劇でした。