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仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010のsithmaroのレビュー・感想・評価

3.5
仮面ライダーのクロスオーバー作品、MOVIE大戦シリーズの記念すべき1作目。
『仮面ライダーディケイド 完結編』
『仮面ライダーW ビギンズナイト』
という各ライダーのエピソードに加え、最後は両ライダー共闘となる『MOVIE大戦2010』に繋がるという3部構成。

正直なところディケイドの完結編に関しては「まぁ、思ったよりはいいかな」程度の出来。
如何せん、テレビシリーズのあの最終回の後なら、大抵のことには目を瞑るようになってしまったと言うべきなのだろうか。
相変わらず昭和からのファンからすると眉を釣り上げてしまいそうなシーンもあってか、両手をあげて絶賛できるような作品とは言い難い。
かと言って、酷評するほどのものでもなく、終わり方の中途半端さもあって、モヤモヤが残る内容。
ディケイド編が終わった瞬間の館内のどよめきは今でも覚えている。

一方でビギンズナイトの方だが、これは逆に最高と言わざるをえない。
何と言っても吉川晃司演じる鳴海荘吉の格好良さたるや、もはや言語化できぬ程に素晴らしいと言わざるをえない。
そしてその吉川晃司と対局とも言える手塚トオルの怪演も忘れてはいけないだろう。
さらにノリと勢いて乗り切った感のあるディケイド完結編に対して、こちらは緻密に練られた設定や脚本をこれでもか!と言わんばかりにお出ししてきたことで、テレビシリーズを含めた作品全体の厚みを増す、いいエピソードだった。

最初の一発目ということもあってか、まだ手探りな印象もあった。
ビギンズナイトだけなら4点くらいつけてもいいくらい。
結果的にこのビギンズナイトが後々のスピンオフ作品や『風都探偵』に繋がっていくのかと思うと、すごく意義のある作品だったのてはないかと感じる。
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