まぴお

トーク・トゥ・ハーのまぴおのレビュー・感想・評価

トーク・トゥ・ハー(2002年製作の映画)
3.0
【眠りの森の美女】

皆さんもよく知ってる童話なんですけど
あらすじを簡単に説明すると悪い魔女の魔法にかかった姫が長い眠りにつくのだけど王子のキスによって目が覚める。(諸説は色々ありますがベースはこんな感じ)

でも思うんですよ。これが王子でなくクソ悪い山賊だったら?特殊な性癖をもつ変態男だったら?たまたま眠りを覚ましてくれた人が良い人でそのあと幸せな人生を過ごせたからよかったんですけど現実はそうとは限らないですよね。

これは男性性と女性性の究極の愛の物語。一つ言っておくと究極の愛が絶対的に美しいとは限らないということだ。

例えば大好きな人と性行為に至ったとしてお互いにもっとくっつきたいと気持ちが盛り上がりもっとより一体になりたい衝動に駆られる。これの究極が「愛の結晶」と言われる子供だったりする。でもこれは別にお互いに愛がなくてもそういった物理的行動をすればできたりする。いわゆる一方的な性的衝動でその原理はなりたってしまうわけだ。


そう相手の意思と関係なく。


また男の視点、女の視点で見るかによって大きく評価が変わるだろう。得てしてこれが究極の愛の物語として理屈ではある程度納得できるが感情がそうはさせてくれない。そんな複雑な心境にならざるを得ない作品であることは間違いないだろう。

見た目は男。心は女監督ペドロ・アルモドバル。
2002年アカデミー賞脚本賞受賞作品。
なんとも不思議な映画をつくる人だ。

485本目
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