アカデミー賞脚本賞に輝いた、ペドロ・アルモドバル監督のロマンスドラマ。
昏睡状態にある女性を世話する二人の男が、奇妙な友情を育む。
「愛の終わりほど悲しいものはない」
ペドロ・アルモドバル監督とはあまり相性が良くない気がしていたが、本作は面白かった。オリジナリティ溢れる先の読めない脚本に引き込まれた。モノクロサイレント映画、ペドロ・アルモドバル監督の赤、スペイン文化(闘牛や音楽)など、独特の味わいもあった。
とある男が昏睡状態の女を一途に愛し、献身的に世話をするという感動のヒューマンドラマかと思いきや、男の変態性が露呈したのを機に、昏睡状態の女性患者がレイプされ妊娠するという深刻なサスペンスへと一変する。
"女性の脳は神秘的"というキャッチフレーズがぴったり。脳の言語中枢ではなく、性欲中枢に訴える。長年考えた末に辿り着いた究極の愛の形だったのだろう。決して共感はできないが、脳科学的にその解決方法も一理あるんじゃないかと思わされた。
『仕立て屋の恋』を想わせる"変態おじさん"の純愛物語。小人おじさんが柔らかなお胸の双峰をよじ登り、転がり降り、女性の身体の中に入っていく、、という映像はインパクト大。
愛。想像力と創造力、フィクション。舞台、サイレント映画、舞台。
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