ドナウ

トーク・トゥ・ハーのドナウのネタバレレビュー・内容・結末

トーク・トゥ・ハー(2002年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

なにで見たのかさえうろ覚えで手がかりのなかったサイレント映画の正体が思いもよらず判明した。小さい男が女性器の中へ入っていくというシュールなものだけど、どう考えてもサイレント期のものじゃないよなぁと思いつつ頭の片隅にあった。アルモドバル監督はボルベール帰郷が好みだったのでいくつか見たけれど、ファスビンダーの「13回の新月のある年に」がちらつき憚って思いの外乗り切れなかった。ただ今作は先の先のサイレント映画「縮み行く恋人」やビナバウシュの舞台、劇中歌われるボサノヴァが彩りを与え、特に後半の怒涛の展開は引き込まれてしまった。不思議なサイレント映画から捌け口のなかった欲望が噴き出し悲劇的な最後を迎える。一方的な愛情を投げかけそれで満足するベニグノの純愛は変態的ではあるものの、眠れる森の美女の目を覚ましたのはそんな彼の口づけだったのでしょうか…。
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