みーちゃん

母なる証明のみーちゃんのレビュー・感想・評価

母なる証明(2009年製作の映画)
4.5
パラサイトより、殺人の追憶より、良いと思う。
私は本作の"母"には狂気を感じなかったので、一般的なレビューに逆に困惑した。これ、全部普通に正気だと思う。

息子のウォンビンは、すべて理解しているかもしれないし、断片的に理解しているかもしれないし、全く理解していないかもしれない。確かなのは、この後も生涯を通して彼女は決して彼に感謝もされないし共感すらないだろう、ということ。

それが、刹那的にも、永劫的にも、逃れられない事実であり、幸せで、悲劇で、喜劇だと思う。

※冒頭の踊りと終盤の廃品回収宅のシークエンスが、非日常でありながらリアルな説得力があり、また、リアルな説得力がありながらどこか非日常なのは、キム・ヘジャの演技力や演出力は勿論、衣装の貢献も大きい。ジャケットなどのトップスだけ彼女の普段着から大きく変えず、ボトムスをあの色と素材感のロングスカートしたのは素晴らしい。
衣装デザイナー:チェ・セヨン。