ゆう

母なる証明のゆうのネタバレレビュー・内容・結末

母なる証明(2009年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

最愛の息子の為に奔走する母、本当に息子は無実なのか何が真実なのか、最後まで目が離せなかった。

母の重すぎるくらいの愛情と強さを痛いくらい感じたし、どんどん狂気じみていく姿は怖かった。息子トジュンは純粋無垢に見えるけどふと闇を感じるし、本当に障害があるのかなと思わずにはいられない不気味さがあった。お母さんのことを恨む気持ちもあるんだと思うし、これは復讐なのかなとも感じた。

真実が分かったときの母親の行動は許されないけど、トジュンを守るにはああするしかなかったのかなと思うと苦しい。
福祉に頼ってもらいたい、息子の為を思うならきちんと罪を受け入れる方がいいと思うのは綺麗事なのかもしれないと感じてしまった。

母親が真犯人とされる人と面会し泣き崩れるシーンが一番つらかった。

警察のずさんさ、貧困、垣間見える闇を考えさせられた。

ラスト、鍼の箱を渡す全て分かっているようにも見えるトジュンが怖かった…
そして笑顔になれない母親、鍼をして全て忘れてしまいたいけれど、ずっとずっと背負っていかないといけない現実。
2人の歪な親子愛にゾワっとした。


後味は悪いけど好きな作品。
冒頭から最後まで無駄がないポン・ジュノ監督、すごい。
ゆう

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