このレビューはネタバレを含みます
『さがす』の縁で鑑賞。
確かになんとなく「逆」っぽい感じがした。
韓国特有のどこかマヌケでコミカルな雰囲気も確かにあって、そして真相が分かるまでの嫌なざわめきと、分かってからの妙な虚脱感というのも独特である気がした。
また広い画面にひっそりと収まっている母親の姿や、滴りとか滑りを映す足元の描写が印象的で、ただ一人全てを知る母の拭い切れない罪を表現しているように思えた。序盤で怪我して手が血に染まるとこからも示唆されていたのだろうな。
母親が、冤罪で捕まった少年の顔を確認したかったのは、少女の携帯に残った写真にある顔であってくれと思ったからで、そしてきっとその願いは届かず「本当の」相手だったのではないかと考えた。
一組の哀れな少年少女の未来を奪った我が息子。
息子を殺そうとした過去の罪が、回りまわって降りかかり火だるまのごとくその身を燃やす。
そして、母は踊る。