シュガーサプリ

母なる証明のシュガーサプリのネタバレレビュー・内容・結末

母なる証明(2009年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

この作品は結構シリアスで、人間の奥底に眠ってる愛憎を含むものに渦巻かれてる人間の果てしない欲望を上手く表現してました。
ポン・ジュノ監督が撮りたかった映画だと感じてます。

シリアスな雰囲気の作品は構成に練られて作られた演技力とかではなく、その場の空気から通して伝わる表情や息づかい、セリフなどが大事ですよね。

個人的に映画はエンタメ要素が入るほうが好きだけどこういうシリアス要素強めなほうに振ったほうが深く入り込みやすいのは確かだし、自然と評価も高い。

そういう意味でポン・ジュノ監督は全体的な映画監督としてのバランスが取れていて皮肉ながら世間の一番痛いところを確実に狙えるポジションにいるとも言えますね。

泣き寝入りとはまさにこのことでそれこそが人間の欲望を断ち切る強い心構えであり生きていく上での本質でもある。
ただ人間にとってそれが一番難しいよ。

そして最後のバスの中での踊りが社会に押しやられても強く立ち続けようとするところがジョーカーと通じる部分がある。

もしかしたらだけど、母親は既に亡くなっていて、最後のバスのシーンはあの世行きで不燃の情だけが残った物語なのだろうか。多分そうだよね。そうであってほしい...
力なきものは祈るとはまさにこのことだ。

母なる証明は息子、いや社会のすべての人たちに届いてるのだろうか。