ひろ

母なる証明のひろのレビュー・感想・評価

母なる証明(2009年製作の映画)
4.0
ポン・ジュノ監督・脚本によって製作された2009年の韓国映画

第30回青龍賞最優秀作品賞、第46回大鐘賞最優秀助演男優賞(チン・グ)を受賞した

キネマ旬報の洋画オールタイム・ベストに3作品もランクインしているポン・ジュノ監督。日本だけでなく、国際的に評価が高い監督だ。いつも個性的な作品を発表する監督だけど、今回もそれは変わらない。子のためなら鬼にでもなるという母性を描いた作品だが、なかなかショッキングな内容だ。

この監督はハラハラさせたり、ちょっと笑わせたりする細かい演出にも気を配る人で、細部がしっかりしているから飽きさせない。息子のために的外れな捜査をする母親は痛々しいし、最終的に母親のとった行動は、恐ろしいと同時に母性を感じるものだ。それにしても、「殺人の追憶」「グムエル-漢江の怪物-」もそうだったけど、この監督の作品は後味の悪さを残しつつ、感傷的に終わらせるから印象に残る。

アメリカの映画賞も受賞した母親役のキム・ヘジャ。ドラマ主体の女優さんみたいだけど、韓国では「国民の母」と言われるほど有名な女優。怖いぐらいに息子を守ろうとする母親の演技は、鬼気迫るものがあった。トジュン役のウォンビンも知的障害という難しい役を好演していた。韓流四天王とかいうくだらない称号があるみたいだけど、日本の韓流ブームはどうかしてる。いい俳優でも安っぽくなっちゃうよ。

なんだか最近は、TSUTAYAにも韓国専用のコーナーがあるし、それが邦画コーナーより大きかったりする。おばちゃんは韓流トークばかりしている。日本人は素直なのか、やたらとブームに流されるけど、ちゃんと自分の目と耳を使って、良いものを発掘してほしいものだ。もちろん、韓国映画にも良作はたくさんあるので、正当な評価を下してもらいたい。
ひろ

ひろ