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母なる証明のtulpenのレビュー・感想・評価

母なる証明(2009年製作の映画)
3.5
静かな町で起こった凄惨な女子高生殺人事件。
事件の第一容疑者として身柄を拘束された息子(ウォンビン)の無実を信じ、
その疑惑を晴らすため、
真犯人を追って独走していく母親(キム・ヘジャ)の姿をカメラは追い続ける。

殺害された女子高生、
携帯電話を改造するその友だち、
写真館を営む隣人、
鍼をツボに刺すことによって記憶を消し去ることができる母親。
彼女たちの全てが暗く深い闇を持つ。
そして母親の息子も。

屈託のない日々の生活に闇が突然現れると人は狼狽えて、
忘れてなかったことにしようとする。
そうじゃなければ愛しているはずの息子と暮らしていけないから…。
暮らしていかなくてはいけないから。

あの奇妙な草原でのダンスは忘却のダンス。
死ぬまでずっと踊り続けるしかないんだね。

静岡シネギャラリーにて。
2010.1/24 (7)通算1177
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