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ミセス・ダウトのろのレビュー・感想・評価

ミセス・ダウト(1993年製作の映画)
5.0

まるでトムとジェリーのように、セビリアの理髪師を歌いあげていい調子の小鳥。その吹き替えをつとめるのは声優ダニエルことロビンウィリアムズ。彼の手にかかればあっというまに映画の世界に引きずり込まれてしまうのだからほんとうにすごい。

元妻が新聞に出した家政婦募集の広告に、声色を使い分けて応募するダニエル。
兄ちゃんに特殊メイクを施してもらいベテラン家政婦”ミセスダウト”として自分家に潜入。慣れない料理に掃除、ダニエル父ちゃんの奮闘記が幕を開ける。

白髪の老婦人ミセスダウトが全速力でサッカーボールを追いかける。
掃除と見せかけてほうきでエアギター、元妻の新恋人にそっと中指を立てる。
家庭訪問員の来訪、社長との食事会・・・女装趣味を疑われようがカツラがずれようがストッキングがずり落ちようが、度重なるピンチも強行突破。ええい女装のまま男子トイレ入ってまえ~ホールケーキに顔ツッコんだれ~!なりふり構わずその場その場を切り抜けていく(ギリ切り抜けられてない)”これでええねん”精神がとにかく気持ちいい。

ミセスダウトを演じたからこそ聞くことができた妻の本音。
ミセスダウトが来てくれたからこそ家に帰るのが楽しみになった妻。
”離婚”という事実に対し、必死にあがいて抵抗する手段だったはずの”ミセスダウト”は、次第に相手を知るためのツールになっていく。

おもしろい場面がたくさんあるにも関わらず、一番ツボだったのはプールの飛び込み台から宙返りを披露するピアースブロスナン。あんな自己顕示欲強め二枚目やめときなって~ババソーヤーにしときなよ~とサリーフィールドに言いたくなる。(気狂い人選)
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