甲冑

どっこい! 人間節-寿・自由労働者の街の甲冑のレビュー・感想・評価

4.5
元々は戦後米軍の基地化やら港湾事業で大量雇用のあった地域。自分が生まれたこの頃はより複雑な事情の人も入ってきた第二世代になるのかな。優先されるべきものばかりが優先された社会の裏で割を食わされた人々。タイトルの勢いとは違い冒頭から合同葬儀が執り行われ全編通して死の影が覆っている。私の父親はガチの肉体労働者で子供の頃に出会った現場のおっちゃん達…ここまで酷くはないが酒、タバコ等の嗜好品が異常に好き、気性が荒い、何を言ってるのか聞き取れない等の独特の感覚が蘇る(今おじさんのモラハラ節が叩かれる場面があるがその上の世代はちとレベルが違った)。現実も痛みも全部和らげたいから酒に走るしかないんやろう。しかしまぁドストエフスキーの小説ばりの貧しき人々の証言のパンチ力よ。全く景気の良い映画ではないが人間展覧会としての豊かさには溢れている。寿町、一回訪れてみたい…。
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