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ハードコアの夜のnagarebosiのレビュー・感想・評価

ハードコアの夜(1979年製作の映画)
4.0
信仰心、原罪そして救済…と、ひじょうに監督の宗教感が強く押し出された作品でした

「8mm」と似てはいますが、本作はシュレイダー作品らしく信仰心と欺瞞に満ちた世界をダイレクトに描いています。
思えば「未知との遭遇」も最初はシュレイダーさんが脚本を書いたようですが宗教色が強すぎてボツになったようです。スコットさんは「激怒」でも似た役柄ですが「ハスラー」の人を見下す役が印象的且つ、上手かったせいで、正直驚きました。苦悩し葛藤しながらも必死な役柄は納得出来ました。ラストの売春婦への対応も、決して全てハッピーエンドではないビターな味わいが却って深い余韻を残しています。頑なに信じているからこそ、和解出来ない深い溝…。
ヒューブリーさん、脱ぎっぷりは良いですが華がないかなあ…。
ポルノ男優や関係者の髪型や衣装がダッサダサ過ぎなのは時代もあるので、ね。
探偵役のボイルさんの人間臭いキャラクターがいちばん共感できたりして…。

淡々と進んでいくので「8mm」のようなダークさはありませんが見応えはあります。

しかし英語が苦手な私でも、娘役の女優さんはヘタかなあ、と思ったりして。