Bobsan

ハードコアの夜のBobsanのレビュー・感想・評価

ハードコアの夜(1979年製作の映画)
5.0
カルビン教会(カルヴァン主義)とやらは、宗教改革の指導者ジョン・カルヴァンの指導の元、神の主権を強調する神学体系及びクリスチャン生活の実践を行う人達の事を言うそうで、魂の救済はあらかじめ神によって決められていると信じているそうです。監督のポール・シュレイダーの家がまさにそのカルビン教会の信者なのだそうです。
本作はそのカルヴァン主義の狂信者…失礼、敬虔な信者のお父さんの娘がある日突然行方不明になります。探偵を雇うと、娘がポルノ映画に出ていた事がわかり、ショックを受けたお父さんが単身娘を探す過程で、自分が今まで知らなかった、或いは知っていて知らない振りをしていた世の中の様々な事を知っていく(一皮剥けて大人になっていく)姿が描かれます。
途中からジョージ・C・スコット扮するジェイクと行動を共にするポルノ女優のニッキーがいいですね。昼の明るい部分だけを見て夜の闇から目を背けるジェイクを鼻で笑い、人間の、世の中の本質を説いていきます。神が本当にいるとすれば、ニッキーこそが真の神の使いである事をジェイクは気付くべきですね。願わくばジェイクは今信仰している偽物の神を捨てて、本当の神とは、信仰とは何なのか考え直して欲しいものです。
Bobsan

Bobsan