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地獄の黙示録のcamusonのレビュー・感想・評価

地獄の黙示録(1979年製作の映画)
3.7
150分の劇場公開版と、200分の特別完全版があるのですが、
付録の冊子をチラッと見たら、
劇場公開版にすべてが込められている
という、監督の言が書かれていたので、
とりあえず、150分の方を見ました。

ベトナム戦争を扱った映画としては初期のものなので、
戦場の地獄絵図のリアルな再現という意味では、
後発の作品に譲るところもあるかと思いますが、
それより何より、本作の戦場シーンは、幻想的で美しいです。
本作は戦場での狂気をテーマにしていて、
景色に狂気のフィルターをかませてあるのかも知れませんね。
つくり過ぎだろうというくらい、絵づくりに余念がありません。

テンガロンハットをかぶった現場指揮官の強烈なキャラが気に入りました。
それに対して、主人公は、目を見開いてちょっと驚いているような、
あっけにとられながらも何か言いたそうな口元などが、
何とも言えない味わいのある可笑しさを醸し出しています。

と、途中までは、すごくいいのですが、
後半、フィクションが展開するにつれて、オカルト食が強まり、
一気に嘘くさくなり、こちらのテンションも下がってしまいます。

前半がよかっただけに、後半の失速が惜しいですね。
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