みや

シャーロック・ホームズ シャドウ ゲームのみやのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

ヨーロッパ各地で発生する連続爆破事件の黒幕をモリアーティ教授だと推理したホームズが、事件解決へ向けてワトソンと共に各国を移動しながら暗殺者たちと戦う。

新ホームズシリーズ2作目。コナン・ドイル『最後の事件』を下敷きにしているらしい。原作を結末以外まるで覚えていないけれど、あくまでも"下敷き"だから恐らくオリジナルストーリーが多めだと思う。
今回もコミカルとシリアス、頭脳戦と肉弾戦、静と動がテンポよく切り替わって面白かった。ここが伏線ですよ~というのをかなり強調してくれるし、小まめに回収してくれるから、ホームズが謎を解いていく時の「そう繋がるのか!」の気持ち良さを余すことなく経験できて嬉しい。
1は宗教、2は政治が関わる話で、登場人物も多かったから、今回の方が私はちょっとややこしかったかも。それでも国家間の戦争が始まる可能性があるほど規模が大きい分、ワクワク感が増した。

今回もアクション全開、むしろパワーアップしていて見応え抜群。汽車で襲われたワトソンの嫁が暗殺者を迷いなくドアから落としたのが好きだし、その後にホームズから迷いなく突き落とされたのには笑ってしまった。
ホームズとモリアーティ教授による影の肉弾戦も、その果てにホームズが実際に起こした行動だけワトソンが見てしまう展開も上手い。ワトソンの表情が素晴らしかった。
銃撃戦の激しさも凄まじく、特に森の中で大砲に襲われる場面がスローで描かれたのは熱い。それぞれのバトルの雰囲気に合ったBGMも好き。

ホームズの変装の回数が多いのも楽しかった。列車の女性はずるすぎるよ。笑わずにはいられない。映画序盤で超越ダサい全身タイツを着てワトソンをボウガンで撃つホームズが本当にダサくて笑ったけれど、その後のホームズの静かに狂った様子を見てゾクッとした。その苦しみすら伏線となって、最後に同じ行動が嬉しい喜びを意味するようになる見事な構成に拍手。続編もぜひお願いしたい。
みや

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