つぼかび

ピーター・グリーナウェイの枕草子のつぼかびのレビュー・感想・評価

4.0
映画というどこまでいっても2次元平面の作品でどうやって多層性を再現するのか、というグリーナウェイなりの回答が、スプリットスクリーンを超越したワイプ演出であり、ワイプ画面を駆使して過去・現在・未来の時間軸や、日本語・英語・中国語・フランス語といった多言語を共存させることだったということか。こんな演出をしている映画は見たことがないので、脳みそかき回された一方で、よく考えるとワイプによる時空間の超越や映像の重ね合わせって、TVのバラエティ番組とかMAD動画で当たり前に触れている手法でもあるんだよな。

わざわざ肉体に書を刻むエロさとか、日本人編集者の爺さんの変態性とか、あまり上手くない日本語が飛び交うあたりも、最近観たばかりのパク・チャヌクの『お嬢さん』と重なる部分もあったな。
つぼかび

つぼかび