リプリー

X-ファイル:真実を求めてのリプリーのレビュー・感想・評価

X-ファイル:真実を求めて(2008年製作の映画)
3.5
いきなり僕の思い出話になるが、一番最初の特報、FBI捜査官と警察犬が雪道を歩き、先頭にはサイキック能力という神父がおり、「感じる!ここだ!」と叫び雪を掻き分けて…というのを見たとき「宇宙人(リトル・グレイ)が埋まってるのかな!」なんてワクワクしたのを覚えている。
で、同じくXファイル好きの友人と見たとき「期待してたのと違う…」となったのを覚えている。

そう、本作はシーズン9後の世界を描いているものの宇宙人は一切出てこない。
スカリーは、FBIとは関わらず医師として病院勤め、モルダーは隠遁生活をしていたが、とあるFBI失踪事件に協力してほしいと言われ…
というXファイルの中でもオカルト色が薄いミステリもの。
こういう裾野の広さはXファイルの魅力ではあるし、宇宙人などが絡まなくても面白いエピソードはドラマにいくらでもある。
でも、本作はどうだろうか…。
あまりに緊張感のない画と、興味の持続も弱いストーリー。
最後の真相はXファイルらしいが「そもそも埋める意味なくね?!」なんて(この言い方は好きではないが)ツッコミどころも多い。
スカリーやモルダーの顔を見せるのに無駄に焦らす演出もなんだかな、と。

しかし、しかし!そういうのも込でキャッキャと楽しんだのは紛れもない事実。
やっぱりモルダーとスカリーを劇場で見れた喜びも大きい。
二人の関係性のその後、相変わらず例のポスターを貼って、鉛筆を天井に投げるモルダー等などファンは楽しい見どころたくさん。
Xファイルのテーマのアレンジもいい。強いて言うなら、オリジナルと同じテーマソングも聞きたかったなぁ。

そんなこんなで、これを見るのは3回目なので、やはりXファイルは大好きだし、何よりドラマのその後としては、2016と2018という傑作を作ってくれた制作陣に感謝しかない。
もう続編はないのかな…。
せっかくの2020のチャンスを逃してしまったし…。