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X-ファイル:真実を求めてのtakのレビュー・感想・評価

X-ファイル:真実を求めて(2008年製作の映画)
3.0
「Xファイル ザ・ムービー」から10年を経た2008年に再び製作された劇場版。

FBI捜査官が失踪して、その生存を予言する神父が現れたことから、サイキックに詳しいモルダーの手を再び借りようとFBIが彼を捜し始める。モルダーはFBIから追われる身。何故こうなったのかは、テレビシリーズの最後の方を見ていないだけによくわからない。今は小児科医として働くスカリーがFBIの依頼をモルダーに伝えに行く。FBI同僚でなくなっても二人は信頼しあえる関係であるようだ。モルダーはFBIの申し出を受け、二人は再び怪事件に挑むというお話。

小児性愛の過去がある神父の予言をうさんくさいと感じる捜査官と、信じようとするモルダーの対立がある一方で、スカリーも担当する難病の子供の治療をめぐって対立していた。厳格なキリスト教系の病院は、スカリーの先進的な治療法を認めようとはしない。スカリーもまた、モルダーと同じく自分の考えと周囲との対立の渦中に立たされているのだった。この物語の設定は見事。これまで理解されないのは常にモルダーという構図だったが、スカリーもまた同じ。

途中でモルダーとスカリーが同じベッドで寝てる場面が出てきて、途中の展開が頭にない僕は「いつしかそういう仲になっていたのか・・・」と妙に感慨深くなってしまう。でも、それは数々の事件を通じて、二人が本当の意味でよき理解者になっていたということなのだろう。映画の最後で「闇から二人で逃げよう」と言うモルダーに、絆の深さを感じてじーんときてしまった。

ストーリー自体はよいのだが、肝心に事件がよくわからない。人を誘拐して人体実験に用いようとする悪人どもの目的やら動機やらがどうもよくわからない。最後の手術シーンはかなり気持ち悪いし、全体を通じて好きな映画か?と尋ねられれば好きとは言えない。映画化第1作の方がヒッチコック映画へのオマージュも感じられたし、単独の映画としては成功作だろう。「真実を求めて」は、その後の二人をみせる為に製作されたファンサービスと思えばよいのだろう。それでもモルダーとスカリーを見られて嬉しい映画。
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