biboo

下妻物語のbibooのネタバレレビュー・内容・結末

下妻物語(2004年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

私の思春期のバイブル。この作品を10代の初期に見て雷に打たれて以後色んな好きのきっかけになった気がする。

ストーリーは圧倒的ファンタジーだし、近年の中島監督作品のようなイカつい胸糞描写もなく、阿部サダヲとか荒川良々の大人計画コンビを筆頭とする脇役たちのシーンはクドカン作品かと錯覚するほどのポップなギャグ描写になってる。

当時ぶりに改めて見てみるとやっぱり最高。美術の圧倒的なキラキラ感が好きすぎる。中島監督作品特有の、仄暗いけどキラキラしてるライティングがまたビジュアル全体の宝石感を高めてる気がする。
泥臭く血生臭いヤンキーの抗争はアクションがキマってない場合ヘタすると間延びしかねないものを、アニメーションをミックスしてテンポ良くポップに仕上げてる。アニメーションを絡めてポップにしてる中島監督の作品は他にもあるけど、STUDIO4℃が手掛けたアニメーションがまた可愛く、Tommy heavenly6の曲が合わさるとなぜかパワーパフガールズにも見えてくる。
曲のぶつ切り感は気になるけど劇盤の選曲も素晴らしい。

あと今見ると桃子が思いの外ものすごく達観してて自立してた。友達も作らず無茶苦茶な両親に対しても冷静なんだけど、最後には「自分の思いのままに生きたい私はまだまだ子供なのかも」とちゃんと現実を客観視してるのもよかった。
ロリィタファッションを着てる人は、周りを気にしない、自分らしく生きたい人が多いのかもと思った。
あと、桃子がDJ・1Rでイチゴの元に向かうシーンはスタントかと思ったら、深キョンがこの作品のために原付の免許取って自分で運転してんだと知り若干驚いた。

凝り固まった妙なルールに対してイチゴが「ルールを守んないと大人になれないなら子供のままでいい」と言い切るシーンも気持ちが良い。

生涯通して定期的に見るだろうなあ。
biboo

biboo