エル・スールの不在のレビュー・感想・評価

自国の内戦によって故郷から引き離されてしまったこの父親は、もう永久に難民だ。
人の死は一度きりではない。
祖国を追われた時、イデオロギーが瓦解した時、愛する人と別れた時、その人に忘れ去られた時、時の流れに置き去りにされた時。
そして我が子の成長すらも、父親としての死を意味する。
彼の墓はどこに建つのだろう。
花の一つでも手向けられているといいが。