大岸弦

エル・スールの大岸弦のレビュー・感想・評価

エル・スール(1982年製作の映画)
5.0
エル・スール (字幕版) EL SUR
神戸市内にある映画館「シネ・リーブル神戸」にて鑑賞 2024年2月4日(日)

この作品はクラシック音楽が使用されてます。その解説をします。

エンリケ・グラナドス(1867年-1916年)はスペイン生まれの作曲家
使用されたのは以下

12のスペイン舞曲集Op.37 No.5 アンダルーサ
12のスペイン舞曲集Op.37 No.2 オリエンタル

アンダルーサは良く知られています。きっと一度は聴いたことがあるのではと。
ピアノソロで演奏され クラッシックギターで演奏されている。リズミカルでフラメンコダンスのように情熱的です。カッコイイ。
オリエンタル 物悲しい切ない感じの曲
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本編
エストレリャ(イシアル・ボリャン)が、父アグスティン(オメロ・アントヌッティ)がもう帰ってこないと予感したのは15歳の時。
1957年の秋の朝、枕の下に小さなまるい黒い箱を見つけた。は父が愛用していた霊力のふりこがのこされていた。
エストレリャが7歳か8歳の頃(ソンソレス・アラングーレン)、一家は“かもめの家”と呼ばれる郊外の一軒家に住むことになった。
父は、家の前の道を“国境”と呼び、バイクに乗せてくれる。そして、水脈を発見する奇跡を行なって村人に尊敬される父。
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母フリア(ロラ・カルドナ)は、かつて教師だったが、スペイン内戦後に教職を追われ、家にいて読み書きを教えてくれる。
冬の雪の日、南では雪は降らないと母に教えられ、エストレリャは南に想いをはせる。父は南の出身だが、祖父と大喧嘩をして北へ出た。
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5月になって南の人が訪れてきた。アグスティンの母ドナ・ロサリオ(ジェルメーヌ・モンテロ)と乳母ミラグロス(ラファエラ・アパリシオ)。
エストレリャの初聖体拝受式の日の朝乗って、エストレリャは父と共に、パソ・ドブレを踊った。南に帰ってゆく祖母とミラグロス。
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エストレリャは父がイレーネ・リオス(オーロール・クレマン)という女優を想っていたことを知る。
父は映画館でイレーネ主役の「日かげの花」に見入る。
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内戦の頃に別れたかつての恋人で、本名をラウラという。彼女を未だに思っているのか。
アグスティンはラウラに手紙を書く、しかし返事は辛辣なもの。
「8年前に別れて以来、未来に生きる決意をし、女優をやめて一年になるのに、なぜ今さら手紙を」「今でも夜の来るのが恐い」
アグスティンが最初の家出をしたのはそんな事があった直後だった。
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クランド・ホテルで食事に誘ってくれた時、それが最後になるとは思っていなかった。隣りのサロンでは、新婚を祝って、あの“エン・エル・ムンド”のメロディーが流れていた。
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ビクトル・エリセ監督 1940年スペイン生まれ

映画館から上映前に女の子の写真が入ったハガキ大のカードをいただきました。ここでは「エストレリャ」

ムーチャスグラシアス! 大岸弦

ミツバチのささやき
神戸市内にある映画館「シネ・リーブル神戸」にて鑑賞 2024年2月4日(日)

スペイン内戦により分断された夫婦と若き後妻それぞれの抱える問題、子どもたちはそんな状況下でも成長して行く.。

1940年頃、スペイン中部のカスティーリャ高原の小さな村オジュエロスに一台のトラックが入っていく。
移動巡回映写のトラックで、映画「フランケンシュタイン」。
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喜ぶ子供たちの中にアナ(アナ・トレント)と姉のイザベル(イザベル・テリェリア)がいた。
その頃父のフェルナンド(フェルナンド・フェルナン・ゴメス)は、養蜂場で、ミツバチの巣箱を点検する作業をしている。
母のテレサ(テレサ・ジンペラ)は、室内にこもって、内戦で荒れはてた家や人々の様子を手紙に書き綴っている。
いったい誰に宛てている手紙なのか、毎週のように、駅に向かい、列車に投函する。
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公民館のスクリーンには、少女メアリーが怪物フランケンシュタインと水辺で出会う美しいシーンが展開している。
そのシーンに魅入られたアナは姉からフランケンシュタインが怪物ではなく精霊で、村のはずれの一軒家に隠れていると聞いた。
学校の帰りにアナはイサベルに村のはずれの一軒家に誘われた。そこに精霊が住んでいるというのだ。
別な日に一人でそこを訪れるアナ。夕方、イサベルは黒猫と遊んでいる。アナは父母のアルバムを見る。父あての母のポートレートには、“私が愛する、人間ぎらいさんへ”とある。網の中のミツバチにささやきかけるアナ。
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夜ふけに一人起き上ったアナは外に出る。列車から兵士が飛び降り井戸のある家に入って行く。彼はアナに拳銃を向けるが、子供だと知るとやさしくなる。
足をけがした兵士は動けない様子だ。大きなリンゴを差し出すアナ。二人はアナが持って来た父のオルゴール時計で遊ぶ。
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その夜、井戸のある一軒家に銃声が響いた。
翌朝、フェルナンドが警察に呼ばれる。オルゴール時計のせいだ。
公民館に横たえられた兵士の死骸。
食事の席でオルゴール時計をならすフェルナンド。
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アナにはすべてが分かった。
井戸のある家に行き血の跡を見つめるアナ。その日、夜になってもアナは帰らなかった。心配する家族。
そのころ、森の中のアナの前に、映画で見た怪物フランケンシュタインそっくりの精霊が姿をあらわした。
発見されたアナは昏睡状態に陥っていた。家族のみんなが見守る。深夜一人起き上がったアナは夜空を見つめるのだった。
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ビクトル・エリセ監督 1940年スペイン生まれ

映画館から上映前に女の子の写真が入ったハガキ大のカードをいただきました。ここでは「アナ」

ムーチャス・グラシアス!大岸弦
大岸弦

大岸弦