六四二

エル・スールの六四二のレビュー・感想・評価

エル・スール(1982年製作の映画)
3.8
エリセの人生の中心には映画が揺るぎなくあり、どうしてもそれが創作物の中にも出てくるのだと思った。また他の作品との共通点として霊的なものが、本作ではそこはかとなく、というのでなく、しっかりとストーリーに組み込まれている。神秘的なものに惹かれる人なんだということがわかる。

映画は父の不純を責める娘の話である。そんなつもりではなかろうが子供だから大人気ない。
カットされたというシーンを復元したものを見てみたいと思う。それは父の、ある意味プライベートな面を詮索して曝け出すものだったのだろうか?そのときエストレリアはどうなるのか?まるで恋人に対する執着のように思えるが、父のルーツである「南」に彼女が旅立つところで映画は終わってしまった。父を探す旅は40年の歳月を経て、今、新作に引き継がれたとも言える。
六四二

六四二